勉強期間6ヶ月で宅建に一発合格するためにやったこと

毎年10月の第3日曜日に実施される宅建試験。受験資格に制限がないこともあり人気の国家資格の一つである。宅地建物取引主任者から宅地建物取引士(宅建士)に名称が変わり、士業の仲間入りを果たした。それに伴い「試験内容の難易度が増した」という話もある。


宅建士の合格率と合格点

宅建士に変わってから初めての試験である、2015年の合格率は15.4%と平年並み。
理由は、宅建試験の合格点は試験の難易度によって毎年変動するからだ。

宅地建物取引主任者試験の2005年から2014年までの合格率平均は16.6%だった。この10年の間に、合格率15.2%や15.3%の年もあるため宅建士に変わったからといって特別難しくなったわけではない。

2015年の合格点は31点だった。合格点は毎年35点前後のため、8割とれれば安心、7割で不安、6割で絶望といったところだ。

今後、宅建士も他の士業資格並に合格率が下がる可能性がないとはいえない。試験は一年に一回しかないため取れるときにとっておこう。

私が合格した年は、合格率15%台

宅建士の勉強方法

勉強方法は大きく分けて3つに分けられる。
  1. スクール
  2. 通信教材
  3. 独学
どの勉強方法が良くて、どの勉強方法が良くないというものはない。
どの勉強方法でやるにしても、自分にあったものを選ばなければ合格への道は大きく遠のく。

強制的に勉強をする時間が決められていないと集中できない方もいれば、自分の好きな時間や場所じゃないと集中できない方もいるだろう。

私は、2と3を合わせた勉強方法で合格した(※後述)

スクール(通学講座)の特徴

  • プロ講師による講義
  • 効率の良いカリキュラム
  • 豊富なコース
  • 独自の教材
  • 新鮮な情報
プロ講師に直接質問できるだけでなはなく、オリジナルの教材とカリキュラムで効率良く勉強できる。法改正があったときなどに最新の情報をいち早くゲットできる。
また、会社員・学生・主婦など生活環境に合わせたコースを選ぶことができる。
「宅建合格」という同じ目標を持った人が集まるため、モチベーションを高く保てるなど利点は多い。が、スクールに通っている安心感から気を抜かないように。

講座受講料は、住んでいる地域(通う地域)やコースによっても前後するが、10万円以下で受講できる講座もある。サポート体制も整っていて、全国の平均合格率を大きく上回る学校がほとんどのため10万円を払う価値は十分にあるだろう。

通信教育の特徴

通信教育の特徴は、なんと言っても「自分のペースで勉強できる」ことだ。学校が遠い、学校に通う時間がない、時間に縛られるのが苦手な方などに向いている。

独学とは違い、わからないことがあればスタッフ(講師)に質問できる。また、テキストは通学講座と同等以上の内容である。

受講料は2万5千~5万円程で、コースなどによって異なる。

独学の特徴

独学の特徴はなんといっても価格の安さだ。テキスト数冊と過去問を1万円以内で揃えることができる。

独学の場合はこのテキストにすべてがかかっている。良い教材に出会えるかが非常に重要であり、自分に合った教材に出会えれば、通学講座や通信教育にも引けをとらない最高の勉強方法だ。

しかし、サポートを受けられないだけでなく、モチベーションを保つのがなかなか難しいため、よほどの理由がない限り独学はオススメしない。また、価格の安さで選ぶのであれば尚更だ。1冊目でベストな教材に出会えることは稀だろう。

大抵の通学講座や通信教育は分割払いができるため、受講料を理由に独学は選ばない方がいいだろう。

宅建取得手当てで生涯収入がこれだけ変わる

下の表は資格を取得した年齢別の生涯収入である。
生涯収入
年齢(歳) 1万(円) 3万(円) 5万(円)
20 540万 1620万 2700万
30 420万 1260万 2100万
40 300万 900万 1500万
50 180万 540万 900万
60 60万 180万 300万

就職や仕事の幅が広がるだけではなく、毎月の手当てだけで生涯収入に大きな違いが出る。

20歳で取得して65歳まで働いた場合は、毎月の手当てが1万円でも合計で540万円になる。早く取得したほうが有利なのは言うまでもないが、40歳で取得した場合でも資格を持っていない人と比べ300万円の差になる。

月の手当てが3万円になると35歳で取得しても1000万円以上の差となり、これが5万円になると、家が建てられる程の差にまでなる。

宅建合格のためにやったこと

上にも書いたとおり、私は通信教育と独学で勉強した。正確には独学で挫折し、通信教育のテキストで勉強した。

私は受験勉強を含め、今までまともに勉強をしたことがなかった。偏差値で言うと40前後で、中学高校のテストでは、クラスの下から5番以内をキープしていた。それでも受かった。

※「こう勉強すれば合格できる」「この教材を使えば受かる」というものではない。あくまでも私が実際に合格したときの勉強方法である。

宅建を受けようと思ったきっかけ

そもそも数ある国家資格の中から、なぜ宅建を選んだのか。

理由はいくつかある。
  1. 将来への不安
  2. 年齢・学歴を問わず受験できる
  3. 国家資格の中では難易度が低い
  4. 試験がマークシート
  5. 他の資格へのステップ
将来への漠然とした不安から、何か資格を取ろうと考えた。

特に宅建でなくてはダメというわけではなかったが、国家資格であること、受験資格に制限がないこと、平均準備期間が1年以内であることの3つを条件に選んだ。この条件に当てはまるのは、宅建以外に行政書士、マンション管理士や管理業務主任者などがある。宅建取得後に行政書士を受験する人も多い。

後に、上記3つの資格も勉強を始めるが、宅建が一番簡単だった。宅建の難しさを100とすると行政書士は250~300くらいだ。(※個人の感想です)

試験はマークシートで全50問。4つの選択肢から1つを選ぶ方式のため、わからない場所は勘で選択しても正解する確率は25%もある。(※後述)

独学と通信教育

1月、宅建を受験することに決め、テキストを本屋で購入した。

テキストは1冊にすべての情報が詰まったもので、価格は3千円くらいだった。人生で初めての勉強ということもあり、何も理解できないまま数日で諦めた。これが上で独学を否定した一つの理由でもある。

まず、分厚いテキストを見てやる気が半分に、内容を見てやる気がゼロになってしまった。

3ヵ月後、転機が訪れる。
友人から通信教育のテキスト一式を貰う。なんでも目指す資格を変更するということで、契約を解除したようだ。

契約を解除しているためサポートを受けることはできないが、テキストの内容は本屋で買ったそれとは比べ物にならないくらい分かりやすかった。これが上で通信教育を勧めた一つの理由だ。

一式の内容は、過去問と分野ごとに分かれたテキストが数冊のセットだった。

貰ったのはユー○ャン

勉強期間と勉強時間

勉強期間は4月から10月までの6ヶ月間。一般的に6ヶ月あれば受かるとされているが、講座の中には夏からの3ヶ月で合格を目指すコースも用意されている。

勉強時間は「一日に何時間やる」とは決めず、範囲(分野)ごとに区切り、それを日割りにした。結果的には一日平均2時間以上は勉強していた。

期間の振り分けは、5ヶ月間をテキスト読みと過去問、最後の1ヶ月を新しい問題と苦手分野の克服に充てた。

勉強方法

勉強方法はいたってシンプル。テキストを読んで問題を解く、これの繰り返しだ。
大まかな流れは下の表を見てほしい。
勉強方法
勉強内容 備考
1 テキストを読む 内容が理解できなくても読み進める
2 問題を解く 1の範囲の問題を解き、正答率と勘で答えた問題をメモする
3 2でメモした部分のテキストを読む 問題のどこを間違えたのか(分からなかったのか)を知る
4 2の問題を解き直す 1回目に正解した問題も解き、正答率と勘で答えた問題をメモする
5 テキストを読む 4でメモした部分と1の続きを読む
6 問題を解く 5の範囲の問題を解き、正答率と勘で答えた問題をメモする
7 6でメモした部分のテキストを読む 問題のどこを間違えたのか(分からなかったのか)を知る
8 4でメモした問題と6の問題を解き直す 6で1回目に正解した問題も解き、正答率と勘で答えた問題をメモする
9 テキストを読む 8でメモした部分と5の続きを読む

基本はこの繰り返しである。

ノートに書き写す必要もないし、テキストに線を引く必要もない。まずはテキストを最後まで読んで問題を解く。通勤や通学の時間を利用したり、一服の時間を利用したりしてもいい。

私は家だと集中できないため、ほぼ毎日、図書館に通っていた

表の1~3を1日目、4~7を2日目、8~(以下略)を目安に区切る。
2日目以降は前日までに間違えた問題をすべて解いて、間違えた部分のテキストを読む。
続きのテキストを読みその範囲の問題を解く。
間違えた問題のテキストを読む。
テキストが1冊読み終わるまで、次の日もその次の日も上記を繰り返す。

新しい範囲に入ったら、集中できなくても読み進めることを優先する。
問題を解くときは言い回しに注目する。数をこなしていくうちに、誤った選択肢の文に違和感を覚えるようになるだろう。

1冊のテキストが終わったら、その範囲の過去問を解く。ここでも間違えた問題と勘で答えた問題はメモしておき、テキストを読み返す。

ポイント
  • 問題の解答はメモに書く
  • メモには日付を入れる
  • メモはその問題のページに挟む
  • 何回も問題を解くため、問題に答えは書き込まない
  • 2回連続で間違えた問題は印をつける
  • 2択まで絞って正解した問題や、勘で正解した問題もテキストで確認する
  • 「正しいものはどれか」という問題は、誤りのある選択肢の「ここがこう違う」ということまで答える
1冊を一通りこなしたら、今までに正解した問題も含め、すべての問題を解いてみる。このときの正答率は勘を含め8~9割はほしい。

理解度は7~8割を目指す。1冊のテキストを100%理解してから次のテキストに進む必要はない。

次のテキストになっても上記を繰り返す。

残り1ヶ月までに全体の理解度を9割以上にしておく。残りの1ヶ月間は、2回以上間違えた問題や苦手分野を重点的に問題を解いたり、新しい問題集を解くようにする。

新しい問題集を解くことは重要である。今まで正解していた分野の問題が、言い回しが変わるだけで間違えることがある。

※あくまでも私(半独学)の場合であり、通学講座や通信教育の場合はそのカリキュラムに従う。

最後に

「この問題知ってるよ」となるくらいやる。過去問の正答率を100%に限りなく近くなるまで繰り返す。

どうしても覚えられないところはノートにまとめる。試験会場でそのノートを見て、一番最初にその問題を解く。

テスト時間に合わせて模擬テストを自分で開催する。 間違ってもその時間に昼寝をする習慣をつけない。

新しいことへの挑戦は試験が終わるまで我慢する。

試験のときに分からない問題があったら、2択まで絞る。
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